「客先常駐SESに将来性はあるのか?」
「今の仕事に未来を感じない。」
「案件がなくなった時、再就職先は見るかなぁ?」
こんな不安な気持ちを抱えていないでしょうか?
気持ちは痛い程分かります。
「将来どうなるのだろう?」私もSES企業にいたころは漠然とした不安がありました。今いる会社に将来性がなければ、モチベーションも上がらないですよね。
本記事は「客先常駐SESの将来性」について説明する他に、今後の具体的な道筋を示す目的で執筆しました。
ぜひ参考にしていただき、少しでもお役に立てれば幸いです。
客先常駐SESに将来性はあるのか?

結論、SES企業に長くいても将来性はないでしょう。
定年まで満足して働ける可能性が限りなく低いからです。
頑張っても年収は上がりませんし、案件がなくなるとクビになります。
企業自体に将来性はないでしょう。
決して長くいるところではありません。
ただし、将来性に「つながる」可能性はあります。
ここでは、その辺りを中心に説明します。
【結論】客先常駐SESは会社に長くいても将来性はない
【現実】 案件が無くなるとほぼ解雇の方向に進む
IT職種以外の案件を紹介されることも
SESは年齢と共に案件は減ります。
客先は使いやすく単価が低い若手を求めているからです。
では、年齢が理由で入れる案件が無くなったらどうするのでしょうか?
自社内で別な職種(営業や事務)に異動するのが、契約上はもっとも正当でしょう。
しかし、異動できる保証はどこにもありません。
会社によって異なると思いますが、ほぼ解雇の方向に進むでしょう。
客先が無いエンジニアを、必ず職種転換できる仕組みは作れないからです。
エンジニアから営業に異動した話しはよく聞きますので、可能性ゼロではありません。
しかし、SESの離職率から考えると確率は高いとは言えないでしょう。
社員の退職を食い止める策として、IT職種以外の派遣先をSES企業が紹介してくるケースもあります。
私が知っている例で言うと、「工場の製造現場」「アパレル販売」「家電量販店の販売員」などです。
年齢が高くなればなるほど、慣れない仕事や環境に順応できません。
常駐先が無くなった50代のエンジニアで、工場の仕事を紹介されて馴染めずにすぐに辞めていましたね。
給料が低いし昇給もしない
SESは 三次・四次請けの仕事が多いので給料は安いです。
しかもピンハネ率はかなりなので、単価が上がっても昇給しないのが特徴です。
また、給料が新卒並みという評判もよく目にします。
分野問わずエンジニアの平均年収は、500万(30代前半)です。
SESの平均年収は、おおよそ300~400万。
スキルによっては300万以下の場合もあります。
年収は40代でほぼ限界を迎え、経験豊富なエンジニアでも500万~600万が限界です。
自社開発など一般的なIT企業では、30代前半~中盤ぐらいでも年収500万円を超えている社員はザラにいます。おおよその見立てですが、SESの年収はその半分以下でしょう。
給与の低さは将来性がないと言われる主な原因です。
参考サイト : 30代エンジニア2180人に聞いた平均年収の実態と満足度|【Tech総研】 (rikunabi.com)
【ストレス大】いつも就職活動している感覚がある
SESで働いていると必ず客先面談は経験します。
私が、客先面談をしている時にいつも思うことがあります。
「まるで就活生みたいだなぁ。」
「受からなかったら怖いな。」
「いつまでこんなこと続けるのだろう?」
要するに、会社員なのに安心感が無いんですよね。
常駐先の顔色を見ながら仕事をし、客先面談では失言しないように気をつける。
ストレスMAXです。
配属先が決まらず、エリア間をたらい回しにされている人もいましたね。
こんな働き方だから将来性がないと言われて当然でしょう。
客先常駐SESは将来性に【つながる】可能性があるかと言えばYes
「将来性」とは客先常駐の仕事で将来的に市場価値が上がり、食いはぐれないスキルが手に入る可能性を指しています。
仮に、私が「SESに将来性があるか?」と誰かに聞かれたら、Noと答えます。
しかし、「将来性につながりますか?」と聞かれたら、迷った挙句Yes(可能性はある)と答えます。
要するに、SES企業にずっといても将来性はないが、他社に転職するための踏み台にできるスキルが身につく可能性はあるということです。
なぜ、迷った挙句答えるかと言うと、将来性につながる会社とそうではない会社があるからです。
ここでは、将来性につながる会社の特徴とそうでない会社を説明します。
将来性につながる会社の特徴
将来性につながる会社の特徴は、目先の利益に捉われていない会社です。
エンジニアのキャリアパスを優先に考えて動いてくれるからです。
最初は会社の利益を考えず、単価を安くしてでもより上流工程を経験できる現場に配属しようとします。
エンジニアが成長してから、徐々に単価を上げて行けば良いという考えです。
具体的には、製造工程以上の経験を積める、以下のような現場への配属を検討してくれます。
「システムを覚えるため、最初はテストからのスタート。」
「徐々に、プログラミングも覚えて行ける現場です。」
製造工程以上の経験は転職で重宝されます。
以上のような配属先であれば、最終的に自身の将来性につながる可能性は十分です。
将来性につながらない会社
将来性につながらない会社は、社員のキャリアパスを考えない会社です。
目先の利益に目がくらみ、何も考えずにエンジニアを現場に送り込みます。
多少時間がかかっても、エンジニアの将来を考えて配属する気持ちは全くありません。
結果、エンジニアとして市場価値が上がらない職務経歴だけが増えていきます。
前職が客先常駐というだけで、採用したくない企業が多いのはそのためでしょう。
将来性どころか、入社すると市場価値が下がる会社は存在しますので注意してください。
逆に、スキルが身に付く将来性につながる会社に入社すれば、努力次第で希望がどんどん出て来ます。

今の会社(客先常駐SES)に将来性がない場合は若い内に動こう

客先常駐SESの将来性についてご理解いただけたと思います。
結論を言うと、今の会社でスキルアップにつながる見込みがない場合は転職した方が良いです。
おすすめの道筋を5つのパターン別に紹介します。
SESでの仕事経験 | オススメする道筋 |
【パターン1】 ロースキル案件 (テスト・キッティングなど) | ・検証の専門会社に応募しまくる 参照 : ソフトウェアテスト・第三者検証のベリサーブ (veriserve.co.jp) ・(20代~30代前半まで)スクール卒業後、自社開発企業でプログラマーを目指す |
【パターン2】 ヘルプデスクや運用・監視 | 以下の職種であれば経験をいかしやすい ・社内SE ・フィールドエンジニア ・インストラクター ・システム営業 |
【パターン3】 開発経験が1年~2年未満 | ・自社開発企業のプログラマーを目指す ・転職が難しければ後1年~2年今の会社で頑張る ・開発経験をいかしてテスト管理者を募集している会社に応募する |
【パターン4】 開発経験が3年以上 | ・自社開発企業のSE/PM ・フルスタックエンジニア(マルチなスキルをもったエンジニア) ・フリーランスエンジニアを目指す |
【パターン5】 1年以内に辞めた場合 | ・アルバイトや契約社員から正社員のエンジニアを目指す ・派遣(つなぎの短期派遣はOK)はもう受けない方が良い ・異業種へ(介護・警備・福祉・物流は正社員になりやすい) |
開発経験がある方は、ぜひ次のステップに向けて動き出してみてください。
テスト管理者などプログラマーやSE以外の選択肢も多いので、自身がもっともやりがいを感じる仕事を探してみてはどうでしょうか?
職場環境などが合わずに短期離職した場合は、いきなり高いハードルを狙うのではなく着実に成長できる道を選びましょう。どうしても、エンジニアの仕事が合わなければ異業種に転職するのが良いかもしれません。
あくまでも、目安なのでご参考までに捉えてください。
残りの人生で今が一番若いので、できるだけ早く動くことをオススメします。